トロン』トロ

映画史上初めてCGを大々的に導入した記念すべき傑作. この映画を見れば、昨今のCG映画やSF映画にどれほど大きな影響を与えているかは一目瞭然. これぞまさにSF映画の古典的名作. なのに今年28年ぶりに続編が公開されるというニュースが流れるまで、この映画の存在が世間ではあまり知られていないというのは本当に不思議でなりませんよ. 1982年という、まだまだコンピューターが身近ではなかった時代にウォルト・ディズニーが製作したこの映画. 私自身も昨年関西学院大学学園祭での アシッド映画館のイベント でその存在を初めて知ったので今回見てみたのですが、いやはやこれはSF映画好きは必見ですよ. お話自体は 『マトリックス』 を始め今ではよくあるコンピューターへのハッキングを擬人化したアクションモノなんですが、そこには 『ターミネーター』 シリーズでもお馴染みの自分で考える機械との戦いや『ザ・セル』などのような現実世界の人間を仮想空間に送り込むといった、当時では斬新なアイデアが満載. さらにプログラムを擬人化することで、プログラムを書き換えるという素人には難しい世界の話を、監視プログラムやMCPことメイン・コンピューター・プログラムとの戦いとして描くことで分かりやすく見せてくれるんですよね. またフリスビーのような円盤を武器にしたり、ライトサイクルというバイクで疾走したりするシーンも、ゲーム感覚を全面に押し出しているので面白いこと. 特にライトサイクルのシーンは碁盤目空間で直線にしか進めないというのが逆に疾走感たっぷりで凄く面白く、直角に曲がるシーンもワクワクものですよ. また死闘が繰り広げられる仮想空間を 『マトリックス』 のように現実世界風や『ザ・セル』のような支離滅裂な異空間風に描かずに、インベーダーゲームが流行っていた頃のコンピューター世界のイメージそのままの電脳世界というか、ゲームの世界ではなくプログラムレベルの世界みたいな、いかにも「電子」っぽい世界観で見せてくれるところがいいんですよね. 本当にそういう世間に迎合しないヲタク魂というか、興行重視ではないような、まずSFファンを満足させることを前提にしたかのような世界観はたまりませんでしたね. でも裏を返せば、そういう製作者の想いが深すぎたからこそ世間ではあまり知られていない映画へと埋もれてしまったのかも知れませんが、続編が公開されることをきっかけにこういう映画に出会えて、映画ファンとしては嬉しい限りでしたよ. てな訳で28年ぶりの続編にはこの映画にも出演してるジェフ・ブリッジスも出演しているそうで、映像も格好よくなっている分、どんな形で彼が活躍するのかも楽しみになってきましたよ. 深夜らじお@の映画館 も防衛プログラム: トロンがほしいです. ※お知らせとお願い ■ 【元町映画館】 8.21より開館! 川崎、開幕メジャー入り マリナーズ登録予 ■ 【ABCアシッド映画館】 の復活を.